家を建てよう!」と考え始めた時に多くの方はこのZEHという言葉を見たことが多いかと思います。「なんて読むの?」「私だけ読めないの?」なんて思いを巡らせてしまいます。
でも大丈夫です。大切なのは読み方とかではなく、言葉の内容を押さえることです。後は専門家に聞いていただれれば宜しいかと思います。もうすでにご存じの方はスルーして頂いて、まだ知らない方は少し読んで頂けるようにブログに書いてみました。
ZEHとは家のエネルギーについてのことです。
家を考えているお客様は断熱性能を気にしますが、結局のところ、それに関連して快適性、光熱費が重要になってきます。地球全体で国全体でエネルギーについて取り組み、家1棟1棟に対してエネルギーを考えて地球環境に優しい家づくりをしていきましょうとの事です。エアコン、照明器具、給湯器などのエネルギーを意識していくこととなります。光熱費も同時に恩恵があるお話となっていきます。
ZEHの知識(基本編)
1 ZEH住宅とは
2 ZEH住宅のメリット
3 ZEH住宅 3つのステップ
1 ZEH住宅とは
ZEH住宅について(ZEH住宅とは)
ZEHとは「Net Zero Energy House」の略語となり、エネルギーの収支を0以下にする家という意味となります。これは電気代を0円にするという意味ではなく、1年間で消費する一次エネルギー(冷暖房・換気・給湯・照明)の消費量を太陽光発電等の創エネ設備で補い、実質的に0にするという意味になります。
※ZEHの「H」はHouseの意味ですので本来はZEH住宅という呼び名ではおかしいのですが、分かりやすくするためにZEH住宅としています。
ZEH住宅について(ZEH住宅とは)
ZEH住宅を造るためには【断熱性能】【省エネ性能】【創エネ性能】の3つの要素が必要となってきますが、この3つに関しては「ZEH住宅 3つのステップ」の章にて詳しく述べさせていただきます。
ZEH住宅にすることにより「環境に優しく、エネルギーの消費が少なく、価値のある家」となります。
また、環境省、経済産業省、国土交通省の各省庁で補助支援を行っております。
ZEH住宅について(ZEH誕生の背景)
ZEHが生まれた背景にはいくつか理由がありますが、その一つとして挙げられるのが、世界中が深刻な問題として取り組んでいる地球温暖化があります。年々悪化している地球温暖化の原因は、二酸化炭素やフロンガスなどの温室効果ガスと言われており、これらの削減が急務となっています。
このようにエネルギーを海外に頼っている現状を少しでも見直すために、省エネ性能が高いZEHの普及が必要だと考えられています。
これらの理由から、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画における「2030年以降新築される住宅について、ZEH基準水準の省エネルギー性能の確保を目指す」「2030年において新築戸建て住宅の6割に太陽光発電が設置されることを目指す」という国の目標達成に向けて、ZEHの普及に向けた取り組みを様々な角度から行っています。
2 ZEH住宅のメリット
ZEH住宅のメリット1(住まい編)
【快適性・健康性】
気密断熱性能に優れた高気密高断熱の家は、外気の影響を受けにくくなります。また室温を一定に保ちやすいので、夏は涼しく冬は暖かい快適な生活を送ることができます。特に冬場は効率的に家全体を暖めることができ、また、その暖かさを常に保つことができるので、急激な温度変化により引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞の要因である「ヒートショック」を防ぐ効果もあります。
【経済性・光熱費の削減】
気密断熱性能に優れた高気密高断熱の家は最小限のエネルギーで室温を保つので光熱費を安く抑えることができます。また高効率設備の導入により省エネな生活を送ることが可能です。更に、再生可能エネルギー(太陽光)を導入することにより高騰している電気をできるだけ買わずに自家消費することで電気代の削減に繋がります。余った電気は売電を行うことにより売電収入も可能です。
【災害時の対策】
太陽光発電を設置することにより、台風や地震などに伴う大規模停電に大きな威力を発揮します。電気が遮断されている中でも復旧するまでの間、生活に必要最低限の家電を使用することができ、非常時でも安心な生活を送ることができます。更に、蓄電池を導入することにより昼間発電した電気を溜めておいて、夜間に使用することでより安心な生活を送ることが可能です。
【住宅価値の向上】
BELSという認可制度があり断熱性の高い住宅は評価ランクが上がります。
ZEH住宅でBELS認証を取得することにより住宅価値が向上します。
また、将来的に売却を考えた際には、未認証の住宅よりも高値での売却が期待できます。
BELS「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」とは、建物のエネルギー性能を評価・表示する制度のことです。
ZEH住宅のメリット2(支払い編)
ZEH住宅にするには通常の住宅よりも費用がかさむため、躊躇してしまうかもしれません。ただ、今まで述べてきました通りZEHにすることにより地球温暖化防止の一端を担うことができたり、快適な生活を送ることができるなど、将来的には経済性も兼ね備えています。また今後起こりうる自然災害にも強くトータルで考えると地球にもお施主さまにも優しくメリットの多い住宅です。
さらに、費用が掛かっても補助金やローンの優遇などメリットのある施策も多くありますので、それらを上手に活用して家づくりを行うことができます。
【住宅ローン優遇】
住宅金融支援機構が行っている固定金利のフラット35に優遇金利が適用されています。
●フラット35S(ZEH)
※フラット35以外の都市銀行・地方銀行でも優遇金利があるZEH向けローンも登場しています。
3 ZEH住宅 3つのステップ
ZEHの住宅にする上で必ずクリアしなければならない3つのステップがあります。
これらのどれか1つでも欠けてしまうとZEH住宅と呼べなくなります。
一部の補助金支給の条件として『創エネ』まで求めない場合もありますが、あくまでもZEH住宅と謳うのであれば『創エネ』まで必要となります。
1 断熱機能
強化外皮基準の「外皮」とは、いわゆる外壁をはじめ、屋根や床、窓、ドアなどの熱的境界(外気と室内の温度環境を明確に分ける境界)全般の素材のことです。これらの素材の持つ断熱の強化基準のことを強化外皮基準と言います。
また、UA値(外皮平均熱貫流率)とは熱量が外に逃げてしまう数値のことを表します。このUA値が低い程、屋外に熱が逃げにくくなり断熱性に優れていると言えます。4~7地域の省エネルギー基準がUA値0.87であるのに対し、ZEH基準ではこの数値を0.6以下にしなくてはなりません。そのため、熱が逃げやすい開口部(窓・ドア)や壁・床・天井の断熱性能を高めることが必要となります。
2 省エネ機能(一次エネルギー20%削減)
標準的に使用している冷暖房・換気・給湯・照明設備から出る一次エネルギーの消費量を20%削減して省エネを行います。
一次エネルギーとは石油・天然ガス・石炭・原子力など自然界から得られた変換加工しないエネルギーのことです。省エネ基準である基準一次エネルギー消費量から20%以上削減して設計し一次エネルギー消費量にすることによりZEH基準を満たすこととなります。
一次エネルギー消費量が特に多いのは暖房設備・給湯設備となりますのでこれらの設備を高効率のものに変えることで効果的に削減が可能です。具体的には高性能エアコンや高性能エコキュートの導入が考えられます。
それ以外にはエネルギー消費量はそこまで大きくないですが照明設備を全てLEDなどに変更することでも削減可能です。
3 創エネ(一次エネルギー消費量を賄う)
基準エネルギー消費量を20%削減した設計一次エネルギー消費量に関して再生可能エネルギーを用いてネット(正味)0にすることでZEH住宅となります。
再生可能エネルギーには風力や地熱といった方法もありますが、コスト面を考えると効率よく創エネできるのは太陽光発電となります。
太陽光発電に関しては売電分も供給エネルギー量に含まれ、売電で光熱費を0にするのではなく、あくまでも設計エネルギー消費量から太陽光発電で作り出されて供給された総エネルギーの差し引きが概ね0を目指します。
最後に
断熱性能と省エネ性能でZEH基準を満たした住宅はZEH水準住宅と呼ばれ、太陽光発電を搭載するだけでZEH住宅になります。ZEH水準の住宅では色々な補助金がございます。
例外として創エネを求めないZEH Orientedがありますが、太陽光発電の設置が難しい場合や、効果があまり得られない都市部狭小地の2階建て以上や多雪地域に限られております。
震災前の2010年から比べると電気代が大幅に上昇しています。要因としては火力発電に必要な液化天然ガスであるLNGの価格高騰や原発の休止、再エネ負荷金の値上げなどがあげられますが、今後も電気代の値上げ傾向は暫く続いていくと思われます。そうなると対策としては電気料金プラン変更や電力会社を変更するなども考えられますが、一番の対策としては電気の自給自足を行い電気を買わないことです。
以上のような要因から今後は太陽光発電を新築時に設置していくかどうか一度ご検討されるのも宜しいかと思います。
ただ、予算の都合で太陽光発電の費用まで住宅ローンに入れることは難しいと思われるかもしれません。その場合はメリット、デメリットはございますが、はじめの初期費用が掛からずに住宅ローンの審査にも影響しない太陽光リースも選択肢の一つとしてご用意しております。
ZEH住宅についてもっと詳しく知りたい方は、トゥルーライフまでご遠慮なくお声かけください。
平塚 注文住宅 トゥルーライフ